インドネシアで不動産購入を検討する際、多くの方が最初に直面するのが「個人名義」と「法人名義」のどちらで取得すべきかという問題です。
これは所有権の種類、税務、将来の売却戦略にまで影響するため、慎重な検討が必要です。
1. 外国人による個人名義取得の制限
インドネシアでは、外国人が土地を完全所有権(Hak Milik)で取得することは法律上認められていません。外国人が利用できる主な権利は以下のとおりです。
Hak Guna Bangunan
対象
インドネシア国内法人(内資・外資問わず)
権利内容
建設権
期間
30年+20年+30年(最大80年)
外国人が法人を通じて取得できる、比較的強い権利です。インドネシア人であっても、法人が所有する場合は原則としてHGBとなります。インドネシア人個人へ売却した場合、条件を満たせばHak Milik(完全所有権)へ変更できる場合があります。
SHMSRS
対象
インドネシア国内法人(内資・外資問わず)
外国人の個人名義
(実務上、インドネシア納税番号を持つ人が中心)
外国人の個人名義
(実務上、インドネシア納税番号を持つ人が中心)
権利内容
区分所有権
期間
敷地権がHGBの場合は、HGBの残存期間に連動
アパートメントの敷地は、デベロッパーなどの法人がHGBで保有していることが一般的です。外国人が個人名義で購入する場合、地域ごとに最低購入価格の規制があります。
Hak Pakai
対象
インドネシア国内法人(内資・外資問わず)
外国人の個人名義(一定の在留資格を持つ人)
外国籍 政府関係
外国人の個人名義(一定の在留資格を持つ人)
外国籍 政府関係
権利内容
使用権
期間
30年+20年+30年(最大80年)
長期的な使用権ですが、権利証が発行されるため、一定の条件のもとで権利の譲渡が可能です。一般的なリースホールドよりも強い権利と考えられます。
Leasehold
対象
インドネシア国内法人(内資・外資)
外国人の個人名義
外国法人
外国人の個人名義
外国法人
権利内容
長期賃貸
期間
契約またはデベロッパーが定める期間
土地・建物の権利証が購入者名義で発行される形式ではなく、日本の定期借家に近い仕組みです。残存期間が短くなると、売却や再賃貸が難しくなる可能性があります。
外国人個人が購入できる物件には条件があり、地域ごとにIDR建てで設定される最低価格基準を満たしたアパートメント(コンドミニアム)などに限られるのが一般的です。
戸建ての土地付き住宅を外国人が個人名義で取得することは、Hak Pakaiなど一定の条件を満たす場合を除き、実務上の制約が多くなります。
外国人個人名義で購入する際の注意点
形式上、外国人個人が非居住者用の番号などを利用して購入できると言われるケースもあります。しかし、実際の権利移転や売却時には納税手続きが発生し、個人納税番号(NPWP)が必要となる場合があります。外国人が個人名義で区分所有権を購入する場合は、事前にノタリスや税務専門家へ確認することが重要です。
2. 法人名義・個人名義のメリットとデメリット
法人名義
メリット
・事業実態があれば、オフィス・店舗・工場・住居など、事業に関連する幅広い用途で不動産を保有できる。
・法人の資産として計上でき、減価償却などを含めた税務設計を検討しやすい。
・事業拡大に伴う複数物件の取得や、一棟物件の取得を検討しやすい。
デメリット
・外国資本会社(PMA)の設立には、最低投資額などの要件があり、設立コストと時間がかかる。
・事業目的(KBLI)と不動産取得の関連性が求められ、単なる資産保有だけを目的とした設立・維持が難しい場合がある。
・年次報告、税務申告、ライセンス管理、監査など、会社維持に伴う継続的な事務コストが発生する。
・売却時には、法人株式を譲渡するのか、不動産資産を譲渡するのかによって、税務・法務上の取り扱いが異なる。個人所有と比べて準備書類が多くなる傾向がある。
個人名義
メリット
・法人設立が不要なため、初期コストを抑えやすく、条件が整えば比較的早く取得できる。
・法人の年次報告、ライセンス管理、税務申告、監査などの維持負担が発生しない。
・自己居住目的であれば手続きが比較的シンプルで、駐在期間中の1室取得などに向いている。
・法人の事業目的(KBLI)との整合性を問われないため、居住目的や個人資産として検討しやすい。
・法人名義と比較して、売却時に準備する書類が少ない傾向がある。
デメリット
・取得できる権利や物件が限られている。特にリースホールドは、残存期間と資産性に注意が必要。
・対象物件はアパートメントなどの区分所有が中心で、戸建てや土地付き住宅の取得には制約が多い。
・地域ごとに設定された最低取得価格を満たす必要がある。信頼できる不動産会社とノタリスを選ぶことが重要。
・複数物件の取得や、大規模な賃貸事業への転用には向かない場合がある。
3. 名義を判断する際の目安
自己居住用アパートメント
想定する購入
自己居住を目的とした1室の購入
推奨名義
個人名義
取得方法
・SHMSRS(区分所有権)
・Hak Pakai
・Leasehold
・Hak Pakai
・Leasehold
駐在期間中の居住用など、アパートメントを1室だけ購入する場合は、法人を設立せず個人名義で取得する方法が比較的シンプルです。
複数物件・一棟物件
想定する購入
複数の物件や、土地付きの一棟物件を購入する場合
推奨名義
法人名義
主な権利
HGBまたはHak Pakaiなど
複数物件の保有や一棟物件の取得では、事業目的との整合性を確保したうえで、法人名義を利用する方法が一般的です。
長期保有・賃貸収益
想定する購入
投資目的で長期保有し、賃貸収益を狙う場合
選択肢
個人名義
または
法人名義
または
法人名義
個人名義の条件
納税番号があり、対象物件の購入要件を満たしている場合
アパートメント1室程度の投資であれば個人名義も選択肢となります。複数物件の運用や事業としての賃貸を想定する場合は、法人名義も検討する必要があります。
インドネシア人配偶者がいる場合
選択肢
インドネシア人配偶者名義
事前確認
婚姻契約や財産分離契約の内容
主な注意点
離婚、相続、債務、所有権をめぐるトラブル
インドネシア人配偶者名義を検討するケースもありますが、婚姻契約や財産分離契約の内容によって法的な取り扱いが異なります。購入前に専門家へ確認することが重要です。
実際に適した名義は、購入目的、物件の権利、保有期間、賃貸運用の有無、将来の売却方法によって異なります。購入前に、不動産会社、ノタリス、税務専門家などへ確認することをおすすめします。
4. 注意が必要なノミニー(名義貸し)契約
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インドネシア人の知人や従業員などの名義を借りて不動産を取得する「ノミニー契約」は、以前から利用されてきた方法の一つです。しかし、外国人による実質的な土地所有を目的とした名義貸し契約は法的保護が弱く、契約の有効性が否定される可能性があります。名義人の相続、離婚、債務、意思変更などが発生した場合、外国人側が不利になるリスクが高いため、安易な利用は避けるべきです。
デザートアイランドの強み
🏢 代表自らインドネシアで不動産投資
代表自身が、インドネシアにおいて法人・個人の両面から不動産投資を行っており、実体験に基づいたアドバイスが可能です。
🇯🇵 日本国内でも不動産投資を実践
日本国内の不動産投資経験も踏まえ、日本とインドネシアの違いを比較しながら、投資判断をサポートします。
📍 ジャカルタ・バリ島の2拠点体制
首都ジャカルタとリゾート地バリ島の両方に対応。都市型不動産からリゾート不動産まで、幅広くご相談いただけます。
🤝 豊富な日系不動産仲介実績
日本人駐在員・日系法人向けの賃貸、売買、投資用不動産の仲介において、豊富な実績を有しています。
本記事は、更新日時点における一般的な情報をもとに作成しています。法令、運用、最低購入価格、税務上の取り扱いなどは変更される場合があります。実際の購入にあたっては、対象物件を管轄するノタリス、税務専門家、関係機関などへ個別にご確認ください。
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